決算書の役割

【依頼内容】
今回のご相談者は異業種交流会で過去にお会いした企業の方でした。
当時「融資において決算書は非常に重要で、それは当期純利益が黒か赤かだけの
単純な問題ではない。細かな指標や着目点をクリアしているかどうかが重要だ」
という私のプレゼンテーションに対し、「私の会社は売上が常に増加しており、
銀行は貸したい一方。だからそんなことを考えなくても、『特別金利』で貸してくれる
から問題ない」とご指摘をいただいた方でした。
今回その企業は、「急に銀行担当者が代わり融通が利かなくなった。決算書が
どうのこうのとうるさい。決算書を作り直して欲しい。」との相談でした。

【解決方法】
答えは簡単。それは無理です。(今回は「ズバッと解決」できていません…)
■決算書と売上
粉飾、逆粉飾を認めることにも繋がりかねないため、決算書を直すということは原則無
理と捉えるべきです。銀行の担当者が社長と話すときに決算書の話をあまりしないの
は、それ以外の情報を入手するためです。決算書はどうでもいいとしているわけではあ
りません。あまり『枠』や『御社だけの特別金利』などという言葉に安心するべきではあ
りませんし、融資は売上がありさえすれば借りられるということもありません。最近出
席した会計学と経営学の2つの学会でもたまたま、「売上さえ上がっていればいいとい
う時代から利益の時代になり、さて今は何か」といった話題が出ました。経営において
売上が重要なことは間違いありませんが、1つの要素にすぎません。
■セカンドオピニオン
決算書の作成においては様々な選択が用意されています。
その定められた会計ルールの下でどのように選択するのか、
どの選択が企業評価を高めるかが重要です。
決算書は税金を計算するためだけのシートではありません。
弊事務所ではセカンドオピニオンで仮決算ができた段階で、決算書診断を行っています。

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